相談事例 Mさま 50代のごきょうだいがお母さまと一緒に
障がいのある人のごきょうだいからのご相談
知的障がいのある人のいる家族のご相談を受ける際に
障がいのある人のごきょうだい(兄や妹など)からのご相談を
受けることもあります。
最近は様々な場面で
「親なきあと」
という言葉が出てくるので
ご心配になる人が多いようです。
50代のご本人、その弟様(50代)とお母さま(80代)の状況
ご相談のメールをしてくださったのは
知的障がいのある弟さんのいる50代の男性でした。
父親はすでに亡くなっていて
母親がいるが、80代となり
弟についての今後をどうするのか話しているが
具体的には何をするのが必要なのか・・・
母親にこれまでは任せてきたが
不安になってきた。
というご相談内容でした。
ごきょうだいは3人で真ん中の男性が知的障がいのあるご本人です。
日中は就労継続B型の事業所でお仕事をして
グループホームで生活していて
土日に自宅に戻ってお母さまと過ごされ
またグループホームに戻るという生活をされている
という状況です。
お母さまの願いとしては
ご本人がこの生活を続けていけることです。
弟さんはこのお母さまの願いを叶えるには
具体的にどうしたら良いのか・・・というご相談でした。
状況の再確認と今後起こりうる問題の確認
ご相談を受ける際には事前にメールをいただいていますが
メールだけでは不明な点を最初に聞き取りさせていただいています。
Mさまの就労や障害年金の受給状況、
親が毎月補てんしている金額があるかなど
生活の実態の確認が重要になります。
また、Mさまの場合、すでにグループホームで生活されているので
グループホームにはいつまでいられるのかが
とても重要です。
現在のグループホームで、
親がいなくなった後はどのように支援してくれるのか?
グループホームにいられるのか?
もし、ごきょうだいもいなくなって本人が一人になった時には
どうなるのか?
など、グループホームに確認しておくべきことをお伝えしました。
Mさまのお母さまの財産状況も確認させていただくと
かなりの資産をお持ちでした。
親なきあと資金の確保の方法や
Mさまの資産状況の確認の方法もお伝えしました。
お母さまが亡くなる際のことも考えて
遺言書の作成の検討や生前贈与などの検討についても
お伝えし、信頼できる専門家(税理士や司法書士)に
ご相談するように助言しました。
そして最大の問題は
「成年後見人について」
です。
お母さまが亡くなった場合、相続が発生して
遺産分割協議を行うことになったら
ご本人が財産に関する状況の判断が難しい場合
成年後見人をつけることになります。
成年後見人をどうするかを考える必要があることと
お住いの地域で成年後見人について相談できるところを
ご紹介しました。
ここまでの相談と助言を基本相談にて行いました。
そして、その際に今後の検討に必要な書類もお渡ししています。
Mさまのご感想
一通りのお話をさせていただいた後に
弟さまが
「思っていた以上にやらなけらばならないことや
検討しなければならないことがあってびっくりした。」
とおっしゃいました。
お母さまも健康で今も特に病気はしていませんでしたが
80代となり、今後の体調がどうなるのかなど、
様々な心配が出てきて不安になったとのことでした。
特に弟さまが驚かれていたのは
お母さまが亡くなり
自分ももしかするとお兄さんより
先に亡くなる可能性があることでした。
知的障がいのあるお兄さんが一人になってしまう
ということは、全く想像していなかった!
とおっしゃっていました。
実際に知的障がいのある人が
90代までお一人で生活されている事例を
私は知っていたのでお伝えしたのですが
かなりの衝撃だったようです。
「やるべきことと、相談する場所を教えていただき
すぐにでも、母と検討して動きます。」
とおっしゃっていただき嬉しかったです。
相談することで見えてくることや知ること
知的障がいのある人がグループホームに入って
安定した生活を送っていると
家族の皆さんも安心して暮らすことができます。
大きな問題が起きない限りは
そのまま日が過ぎていきます。
親なきあとの準備は家族で話し合い
早めに進めていく必要があります。
家族構成や財産状況などが
それぞれの家族で違いますので
状況に合わせて、税理士や司法書士などの
専門家のサポートが必要になることがあります。
家族の状況をお話しするのは抵抗があるかもしれませんが
相談をすることで知ることや見えてくることが
たくさんあります。
ぜひ、地域で相談できる場所へ
早めにご家族で行っていただけたらと
思います。
もし、お住いの地域で相談が上手くできない場合の
お手伝いもしていますので
お問い合わせくださいね。