【連載 第3回】「いくら必要?」から「家族でどう生きる?」へ 相続したお金は「思い」のバトン。守り、育てるための第一歩

「いくら必要?」から「家族でどう生きる?」への連載の第1回、第2回では、老後資金や教育費の「現実」についてお伝えしてきました。
第3回となる今回は、私自身の経験をもとに、「相続したお金をどう守り、どう活かしていくか」についてお話しします。
突然始まった、伯父・伯母の介護
私が子どものいない伯父・伯母の介護に関わることになったのは、2017年11月のことでした。
認知症の伯父を一人で支えていた伯母が体調を崩し、緊急入院。
伯父の妹である私の母への一本の電話から、「介護」という日常が突然始まりました。
その後、伯父伯母の将来を見据え、専門家の方々にも相談しながら、家族としての関わり方や必要な手続きを整えていきました。
長男の子育てを通じて築いてきた弁護士さんや社会福祉士さんとのつながりも、この大きな判断を支えてくれました。
「財産管理」が介護の質を決める
伯父と伯母の生活を支える中で、私が任された重要な役割の一つが「お金の管理」でした。
入居する施設によって、支援の内容も費用も大きく異なります。
私は、
- 財産を守ること
- 生活の質を下げないこと
このバランスを大切にしながら、ケアマネージャーさんと連携し、見学を重ねて選択していきました。
その中で強く感じたのは、お金は「守るもの」であると同時に、使うことで価値が生まれるものでもあるということです。

「元気なうちの整理」がすべてを左右する
幸いだったのは、伯母が伯父の財産状況をしっかり把握し、管理していたことです。
そのため、私が引き継いだときも大きな混乱はありませんでした。
もしこれが不透明だったら、
- 介護の判断
- 施設選び
- 支払い
すべてが大きな負担になっていたと思います。
この経験から、
元気なうちに財産を整理しておくことの重要性を、身をもって実感しました。
相続は「手続き」のあとに「責任」が来る
介護開始から1年8ヶ月後、伯父は亡くなりました。
最期に何度も「ありがとう」と声をかけていた伯母の姿は、今でも忘れられません。
相続の手続き自体は比較的シンプルな状況でしたが、それでも
- 各種証明書
- 金融機関ごとの手続き
が必要で、完了までに5ヶ月かかりました。
この経験から、相続は「思ったよりも時間も手間もかかる」という現実を実感しました。
そして、財産を引き継いだときに私の中で強く芽生えたのは、この大切な財産をどう守り、有効に使っていくかという責任でした。

プロとして、家族として選んだ「資産の振り分け」
引き継いだ財産は、将来子どもたちへ繋いでいくことも見据え、目的ごとに分けて管理することにしました。
- 守るお金(教育費)→ 定期預金・普通預金
- 遺すお金(相続対策)→ 生命保険
- 育てるお金(運用)→ NISA・国債
商品選びについては、これまで取引のある金融機関にも相談しながら、自分自身でも調べ、納得した上で決めていきました。
引き継いだ直後にこの整理を行ったことで、
- お金の役割が明確になった
- 迷いが減った
- 将来への不安が軽くなった
と感じています。
お金は「思い」をつなぐもの
お金は、ただ受け取るものではありません。
どう使うか、どう残すかを考えてこそ、次の世代へつながる価値になる
私はそう考えています。
次回予告
連載第4回は、「具体的にどんな基準で商品を選び、どう振り分けたのか」について、実際の判断基準を交えながらお話しします。


