FPの介護実践記② 最初の情報収集。介護が始まった翌日に直面した現実
この「FPの介護実践記」は、ファイナンシャルプランナーである私が、FPとして、そして家族として介護と向き合う中で感じたこと、迷ったこと、考えたことを記録しているシリーズです。
制度やお金の話だけでなく、現場で起きたことや感情の揺れも含めて、「もし自分だったら」と考えるヒントになればと思っています。

介護は待ったなし。始まった翌日から動き出す
介護は、始まった瞬間から待ったなしです。やることは一気に押し寄せてきます。
伯母が救急搬送され、介護のキーマンを引き受けた翌日。私が最初にしたことは、伯父を担当しているケアマネージャーさんに電話をすることでした。
伯母が必死でつないだ支援の糸
伯母は、入院前に受診した地域の内科の医師から、 「この状況はうちの病院では対応できません。大きな病院へ行ってください。このまま救急車で向かいましょう」 と告げられていました。
そのとき、家に一人残る伯父のことを心配し、体調が悪い中でケアマネージャーさんに連絡をしていたのです。
伯母はその日、体調が悪く地域の内科を受診するため、認知症の伯父を自宅に一人にはできないので、伯父の友人に来てもらい、二人で伯母の診察が終わるまで家で待っていました。
大きな病院に行くことになり、 自分も体調が悪いのに 必死でケアマネージャーさんに電話をしたのだと後で知り、泣けてきました。
二人はお昼ご飯も食べずに待っていたそうです。後からその話を聞き、胸が詰まる思いがしました。
ケアマネージャーさんはすぐに緊急ショートステイの場所を確保してくださり、一緒にいてくれた伯父の友人が車で施設まで送ってくれたとのことでした。
伯母が、必死につないでくれた支援の糸でした。
初めての電話で突きつけられた現実
まずは伯母の状況も含め、今後のことなどを ケアマネージャーさんと話さなくてはなりませんでした。
この日は月曜日。私はすでに仕事の予定が入っていました。
いつも通りに長男と一緒に特別支援学校へ行き、送り届け、バスで移動し、仕事場に着いて事情を説明し、ケアマネージャーさんに電話をしました。
初めましてのご挨拶のあと、今後どうすればよいのかを尋ねると、返ってきたのは、現実的で重い言葉でした。
「今利用している緊急ショートステイは、5日間しか使えません。 この後に入れる施設はこちらで探しました。 移動や着替え、持ち物の準備は、すべてご親族でお願いします。」
正直、驚きました。びっくりです。
一人では抱えきれないと感じた瞬間
久しぶりに会う認知症の伯父を、一人で迎えに行き、車に乗せ、会話をしながら移動し、新しい施設まで運転していく。
認知症の伯父の状態がどの程度かもわからず、車の乗り降りが介助無しでもできるのか?、突然車の中で動揺したりしないのか?そんな不安が一気に押し寄せました。
その一連の流れを想像したとき、「これは一人では無理だ」と感じました。
同じ都内に住む妹に事情を説明すると、 「もちろん私も手伝うよ。仕事が休めるか確認するね」 と、すぐに休みを取ってくれました。
本当にありがたく、心からホッとしました。
荷造りという大仕事
伯父が次に入るのは、ショートステイ利用が可能な有料老人ホームです。
洋服、下着、歯ブラシ、コップ、髭剃りなど、生活に必要なものを一式そろえる必要があります。
ケアマネージャーさんに連絡した翌日(火曜日)、妹と一緒に伯父の家へ向かいました。
何度か遊びに行ったことはありましたが、着替えや下着がどこにあるのかは全く分かりません。
病院にいる伯母に電話をし、「どの部屋の、どのタンスに何が入っているか」を聞きながらの荷造り。
なんとか一式そろえました。
どうしても見つからないものや足りないものは、近くの大型スーパーで購入しました。
そして、すべての持ち物に名前を書く作業。これも、想像以上に時間と気力を使います。
妹と分担して仕上げました。
相談は同時進行で
この日の午後2時には、あらかじめ予約しておいた、社会福祉協議会へ相談に行きました。 今後を見据えて成年後見制度の利用も考えてのことです。(この話は、また別の記事で詳しく書きます)
すべてを終えて自宅に戻ったのは夕方。妹と二人、しばらく言葉も出ず、ぐったりしていました。
実はこの日は、午前中の荷造りが終わってから社会福祉協議会に行くまでの間に、私自身の体調が悪くなり、吐き気が止まらなくなりました。
それでも、気力を振り絞って社会福祉協議会まで行ったのです。
いよいよ明日が、伯父の緊急ショートステイから、別の介護施設のショートステイへの移動。
「明日もよろしくね」 そう言って、妹を見送りました。
この出来事から考える「終活と介護のヒント」
【1】最初にやるべきは「情報の一本化」
介護が始まったら、まずケアマネージャーさんに連絡を。状況を整理し、次の動きを把握することが最優先です。
【2】家族だけで抱えない前提を持つ
迎え、移動、荷造り。一人でできないことは、早めに「助けて」と言うことが大切です。
【3】元気なうちに「生活の情報」を共有しておく
服の場所、下着のサイズ、必要な持ち物。これらは立派な終活の一部だと、実感しました。介護は始まると待ったなしです。
とにかくやることが山積みです。


