後見人等がつくと口座の名義は後見人等になっちゃう?

後見人等って?

後見人等とは、後見人、保佐人、補助人を総称した言い方です。
後見人というと「後見類型」の場合に限ってしまうので
一般的には「後見人、保佐人、補助人」のすべてのことを
表現する場合に使います。

2月末から保佐人として支援を開始しています

国分寺市の市民後見人の養成講座を修了して
2022年の2月に知的障がいのある女性の保佐人として
活動を開始しました。

3月には東京法務局に登記事項証明書をもらいに行ったり
保佐人就任後の様々な手続きで市役所や年金事務所などに行っていました。

手続き関連や引継ぎなども行いながら
先日、監督人である国分寺市社会福祉協議会への第1回の報告も
済ませています。

実際に後見人等が何をどこまでしてくれるのか?

「保佐人として活動をしているのよ。」とあるところで話していたら
知的障がいある娘さんのいるお母さんから

「後見人をつけると口座の名義は後見人になっちゃうの?」

と聞かれました。

今回、私は保佐人として金融機関の名義の変更に行きました。
保佐人の登記が完了していることの証明である
「登記事項証明書」や本人確認の書類などを持って窓口に行きました。

口座の名義は、例えば山田花子さんが被保佐人の場合
「山田花子 保佐人 濱倉千晶」と通帳に記載になります。

表の名義は山田花子さんのままで
内側に追記として「保佐人 濱倉千晶」と書かれました。

山田花子さんとしての口座ですので、
この名前がどこかに行ってしまう訳ではありません。
また、私が自由に何をしても良いというわけでもありません。

基本的なことかも知れませんが、実際がどうなるのかって
なかなか知る機会がありませんよね。

その後も、いくつか質問がありました。
後見人等の支援の内容やその動きの理解はまだまだ足りないのだな
と実感しました。

後見人等に何をしてもらうのか?

今回、私は保佐人になったので
「登記事項証明書」に記載されている
「代理行為目録」の内容だけ
ご本人の代理として行うことができます。

年金事務所に書類の送付先の変更の手続きの
問い合わせをしたときにも、電話に出た担当者に
「登記事項証明書の代理権に
年金関連の手続きができると書いてありますか?」
と、確認されました。

ご本人の理解度によって
「後見人」なのか「保佐人」なのか「補助人」なのかは
家庭裁判所の判断で決まります。

私の被保佐人はある程度のお金の管理は出来るので
自分で管理する通帳を持っています。
これは、私が管理している通帳とは別のものです。

後見人等をどのように考えるかは
ご本人の理解度や能力などもとても重要です。

どのような形になるのが、
「ご本人にとって良いのか?
どの方法がご本人の生活が豊かになるのか?」

を、家族でじっくりと検討するのが良いと思います。

市民後見人や財産額が多い人には監督人がつく

今回の私のように市民後見人が後見人等になる場合や
ご本人の財産額が目安として500万円以上ある場合は
地域の社会福祉協議会などが監督人になったり
財産の管理に後見信託の利用が指定されたりします。

これは、ご本人の不利益にならないようにするためです。

とは言え、監督人にも報酬が必要になります。

成年後見人をどのように活用するかは
・ご本人の理解度や能力
・ご本人の財産額
・家族構成と支援者の状況

などなど

様々な状況を合わせて考えていく必要があります。

家族としてどうするか検討する

私が保佐人をしている方は
今年で80歳で、親もきょうだいも既に亡くなっています。

緊急連絡先は、姉の子どもである甥ごさんです。

近しくお金の管理等ができる人がいなければ
後見人等をつけて生活することになります。

知的障がいやその他の障がいで
一人で生きていくには困難があると思われる人は
成年後見制度の利用をどのように行うのか
家族で早めに検討しておくことをおススメ
します。

何をどのように整理していけば良いか分からない場合は
基本相談などでサポートしています。

ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。