知的障がいのある人が40代・50代になったら 支援のバトンをつなぐために家族で見直したい5つのこと

こんにちは。「知的障がいのある人の家族のための相談室」室長、家族マネープランニングの専門家・濱倉千晶です。
これまで「親なきあと」に向けた準備を、年齢ごとに段階を追ってご紹介してきました。
今回のテーマは、知的障がいのあるご本人が40代・50代になったときに考えるべきことです。
ここから先は、いよいよ「現実的に期限が見えてくる時期」に入ります。
「親なきあと」のリミットが見えてくる年代
知的障がいのあるご本人が40歳を迎える頃、親の年齢は60代後半から70代以上になります。
私自身、長男(ダウン症)を33歳で出産したので、彼が40歳になる頃、私は73歳になります。
結婚も出産も遅めだったため、他の家族より「親なきあと」の現実が早く目の前に見えている感覚があります。
70代以降は“何が起きてもおかしくない”
私の母のきょうだいの中でも、最年少だった叔父が70代で亡くなった時は驚きました。
介護や見送りを経験して強く感じたのは、70代を超えると本当に何が起こるか分からないということ。
ある時、知的障がいのある方のきょうだいからのご相談で、
「自分と弟で、どちらが先に亡くなるかなんて考えたこともなかったです」
と、ハッとされた場面がありました。
でもこれは、実際に多くの方が考えたことがない、でも「絶対に考えておかなければいけない」ことなのです。
サポートできる時間には“期限”がある
親やきょうだいが知的障がいのある本人を支えられる時間には、限りがあります。
その時に困ることを、現時点から洗い出しておきましょう。
将来、サポートが必要になることの例:
- 住む場所(自宅 or グループホームなど)
- 毎日の生活支援
- お金の管理・資金不足のリスク
- 通院や服薬の管理
- 緊急時の判断や対応
ご本人の「今」と「これから」を見つめ直す
もう一つ大切なのは、ご本人のできること・できなくなることを見極めること。
加齢とともに変化する体力、認知、行動面の特性。
これを家族で冷静に共有することが、今後の選択の土台になります。
現状把握のポイント まず押さえておきたい5つの視点
40代・50代を迎えた今こそ、家族で話し合い、整理しておくと良い5つのポイントがあります。
✅ 現状把握のためのチェックリスト
- 本人のできること・できないことの整理
- 地域にあるグループホームや施設の情報
- 年金や手当で生活費は足りるかの試算
- お金の管理を誰に託すかの検討
- きょうだいがどう感じているかの共有
まずは「誰が何をするか」を家族で話し合う
現状を把握したら、次は「誰が何を担うか」「どこに頼るか」を整理しましょう。
- ご夫婦で話す
- きょうだいと共有する
- 親もきょうだいもいなくなった後を考える
親自身も、70代になったら動けること・判断できることが減っていく可能性があります。
だからこそ、できるだけ早く・元気なうちに整えておくことがとても大切です。
次回予告 「では実際、何をすればいいの?」にお答えします
今回は、「現状把握と家族の対話」についてお伝えしました。
次回は、実際にどんな行動をしていけばよいのか、ステップごとにご紹介していきます。
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