障害年金を知らずに手遅れに…支援が届かなかった家族の現実と教訓

こんにちは。
「知的障がいのある人の家族のための相談室」
市民後見人としても活動している濱倉千晶です。

このコラムでは、

  • 親なきあとの準備
  • きょうだいとの関係づくり
  • 障がいのある家族と暮らす日々の工夫
  • 法律の動向や変化

など、私自身の実体験をもとに綴っています。

わが家にはダウン症の長男がいます。
だからこそ「制度があるのに知らなかった」「知っていれば助けられたかもしれない」
そんな後悔を、他のご家族にはしてほしくないと願っています。


「障害年金」それは、暮らしの土台を支えるお金

ここ最近、障害年金に関するニュースが続いていますね。
特に知的障がいのあるご本人にとっては、障害年金が「生命の維持に直結する」重要な収入源です。

食べること、住まうこと、通所や通院、そして親なきあとの生活。
それらすべてに必要なお金。


それを支えてくれる制度が「障害年金」です。

けれど、この制度が「知られていないこと」によって、
本来受け取れるはずだった支援を逃してしまっている人がいます。


「65歳までに申請しないと受け取れない」制度の壁

私は現在、市民後見人として80代の知的障がいのある女性をサポートしています。
その方は若いころ、一定期間は働いておられたため、現在は国民年金を受給しています。

しかし——
障害年金の手続きは、一度もされていませんでした。

理由はただ一つ。
誰もその方やその方の家族に「障害年金という制度がある」ことを教えてくれなかったからです。

障害年金の初回請求は、原則として65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。
しかし、その期限を過ぎてしまった今、手続きはできません。

一度きりのチャンス。
でも、それが「知らなかった」という理由だけで消えてしまう。
制度の存在を知らないがゆえに、支援が届かない現実があります。

私の被保佐人は国民年金だけでは、生活費が足りず、現在は生活保護の受給をしています。

障害年金を受け取れていたら、生活保護の受給はしなくても暮らせていたかも・・・と感じています。


日本の制度は「申請主義」。だからこそ伝える人が必要

日本の福祉制度は「申請主義」です。
つまり、本人や家族が知っていて、初めて申請できる。
知らなければ、どんなに困っていても支援にはつながりません。

もちろん、不正受給を防ぐ仕組みとしてこの考え方は重要です。
でも、知的障がいのある方の多くは、生まれつきで改善が難しい障がいを抱えています。
本人が自分の状況を理解し、制度を調べ、手続きを行うことは現実的ではありません。

だからこそ、本当は――
「誰かが家族または支援者に伝えるべきだった」のです。
本人のそばにいる人、関わっている支援者、地域の制度の窓口…。

「この方はもしかして対象になるかも」
そんな気づきと声かけがあれば、救われた可能性があります。


「知っていれば、救えたかもしれない」

この出来事は、私自身にとっても大きな教訓となりました。
市民後見人として関わる中で、「今さらどうにもならない」ではなく、
「これからの人に届けていこう」と強く思うようになりました。

支援が必要な人に、支援がきちんと届く社会であってほしい。
制度を活用して、安心して暮らしていける社会であってほしい。

そのために必要なのは、「知識」ではなく、
伝えようとする意思だと感じています。


【無料プレゼント】「親なきあと、何から始めればいい?」に答える2つのツール

「障害年金のこと、何も知らなかった」
「親なきあと、考えなきゃと思いつつ手がつけられない…」

そんな方のために、無料プレゼントをご用意しました。

✅ ライフプラン表(PDF)

将来に向けた家族の生活設計を「見える化」できます。

このライフプラン表を家族での「親なきあと」の話しに活用していただけます。

✅ 親なきあと準備チェックリスト(PDF)

何をどう進めればいいか、今の状況から一歩ずつ整理できます。

メルマガでは、制度やお金の話をわかりやすく解説しながら、
実例や親としての気持ちも交えてお届けしています。

「準備を始めたいけれど、まず何を見ればいいか分からない」
そんな方こそ、どうぞお気軽にお受け取りください。

👉 プレゼントの受け取りはこちらから


最後に

障がいのあるご本人やご家族が、
「知らなかったから受けられなかった」ではなく、
「知っていたから備えられた」と安心できる未来を目指して。

これからも「伝えること」「届けること」を大切に、
情報を発信していきます。